木のクローン化

大宰府に左遷された菅原道真を慕い、京都から九州に一晩で飛来した「飛梅伝説」伝承の木とされる北野天満宮の御神木である紅梅のクローン苗木製作に住友林業が成功したそうだ。北野天満宮は培養した苗木を「平成の飛梅」として大宰府など全国の天満宮に贈ることも検討しているという。
北野天満宮の御神木は、本殿前に立ち樹齢300年を超えるとされているそうだ。同天満宮に残る1793年の記録に「飛梅の種に間違いない」などの記述があるという。
近年、梅や桃に感染する「プラムポックスウイルス」が国内でも流行。感染した木は実が育たなくなり、伐採せざるを得なくなるという。同天満宮は御神木を守るために2009年に住友林業にクローン苗木作りを依頼したそうだ。
同社は枝から採取した芽の組織を培養し、「多芽体」と呼ばれる芽の塊を作製。6年の研究の末、御神木と同じ遺伝子型を持つ6本のクローン苗木を育てることに成功したそうだ。梅の組織培養による苗木生産の実用化は世界初だという。
北野天満宮は苗木を増やし、道真公を祀る全国の天満宮・天神社に寄贈するとのこと。
飛梅伝説は、道真が大宰府に左遷される日に幼いころから親しんできた紅梅殿の梅に「東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ」と詠んだことで梅が大宰府まで道真を追って飛んできたという伝説だが、別の話では伊勢国度会の社人である白太夫という人が道真を慕って大宰府に下る折、都の道真の邸宅に立ち寄り庭の梅を根分けして持ってきたことを、道真が都から取り寄せたことを伏せて「梅が飛んできた」ということにしたとも言われているそうだ。
クローン化したことで、現代に「飛梅伝説」を再現する形となるのだろうか。